20代の薄毛は何が原因?割合や予防・改善の対策【頭頂部ハゲなど】

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20代でも薄毛でお悩みの方は、少なくありません。下りのエスカレーターや電車で座ったとき、頭皮が気になっていませんか? そこでこの記事では、20代で薄毛に悩まされる原因と、薄毛に有効な対策をご紹介します。若い世代の薄毛は、生活習慣や食生活の乱れで引き起こされるケースも多いようです。身近なところから始められる対策に加え、薄毛や抜け毛に関するQ&Aも掲載しているので、ぜひ参考にしてみてください。

監修者
井上哲夫プロフィール画像
  • 一般社団法人 国際毛髪皮膚科学研究所
  • 所長 井上 哲夫
  • 1952年、東京生まれ
  • 東京理科大学卒業後、総合化粧品メーカーに入社
  • ヘアケア・スキンケア商品の研究開発部長を経て、一般社団法人 国際毛髪皮膚科学研究所を設立
  • 育毛研究35年、専門分野に取材多数
  • 現在までに、全国各地のがん診療拠点病院及び7,000店以上の理美容店、その他各種医療セミナーで講演・指導実績あり

【資格】
生活習慣病予防指導士(日本ホリスティック医学協会認定)、医療機器販売・賃貸管理者及び修理業責任技術者、コスメコンシェルジュ(一般社団法人日本化粧品検定協会認定)

20代で薄毛になる方の割合

薄毛に悩む20代男性の画像

20代で薄毛に悩む方は、10人に1人といわれています。脱毛症状に関する報告をもとに、若い方の薄毛についてデータに基づいた実態を理解しておきましょう。

「男性型および女性型脱毛症診ガイドライン2017年版」(公益社団法人日本皮膚科学会)によると、日本人男性でAGA(男性型脱毛症)を発症する確率は、20代で約10%、30代は約20%、40代は約30%、50代以降は約40%です。30代以降の年代と比べると、20代のAGAの発症確率は低い傾向にありますが、20代男性の約10人に1人は薄毛に悩んでいます。

年齢が上がるごとに薄毛の悩みが増える傾向もあるため、若い世代のうちから、早めに薄毛予防と対策を行うことが大切です。

【出典】公益社団法人日本皮膚科学会「男性型および女性型脱毛症診ガイドライン2017年版

20代の薄毛で考えられる原因

20代の薄毛は、生活習慣や食生活、頭皮環境が大きく影響しています。すでに薄毛や脱毛に悩んでいる方はもちろん、将来の薄毛が心配な方も、気を付けておきたいポイントをチェックしておきましょう。

AGA(男性系脱毛症)

AGA(男性型脱毛症)は、中高年の男性に限定した悩みではありません。20代前半でもAGAの兆候が出てくるケースがあります。またAGAの特徴は「頭頂部の地肌が目立つ」「前髪の分け目が薄くなる」「前頭部の生え際が後退する」といった症状が挙げられます。

AGAの発症確率は、AGAの原因物質でもあるジヒドロテストステロン(DHT)が生成されやすいかどうかや、レセプターと呼ばれるDHT受容体の有無に左右されます。これらの要素は遺伝するため、親族にAGAと見られる薄毛の方がいる場合は、AGAを発症する確率も高くなるようです。一説によると、母方からの遺伝が影響すると言われています。

中高年に限らず遺伝によっても発症するAGAに対しては、20代であっても可能な限り薄毛対策を開始するほうが良いといえるでしょう。

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生活習慣の乱れ

生活習慣が乱れた20代男性の画像

生活習慣の変化や乱れは、ホルモンバランスの乱れや偏食につながるため、薄毛の原因になりかねません。

20代前半は、新社会人になり、学生時代には感じなかった不安やストレス、職場でのプレッシャーにさらされます。自律神経の乱れから十分な睡眠がとれなかったり、睡眠の質が低下したりするケースも珍しくありません。ストレス対策として何か趣味を持たれることをお勧めします。

ストレスに加えて、飲酒や喫煙、忙しさから増える外食やインスタント食品ばかりの食生活といった生活環境は、血行不良を招いたり、頭皮や頭髪に必要な栄養素の摂取を難しくさせたりします。20代前半の生活環境の変化は、薄毛の原因になる要素が多い傾向にあると考えられるでしょう。

頭皮環境の悪化

自分でも気づかないうちに頭髪環境が悪化していることが、薄毛の原因になっているケースもあります。

汗や皮脂が出ているにも関わらず、疲れや忙しさから洗髪頻度が減ってしまうと、頭皮の状態を悪化につながります。また「シャンプーをあまり泡立てずに使っている」「髪は洗っていても頭皮は洗えていない」「タオルやドライヤーでしっかり乾かせていない」といった間違った洗髪方法を続けている場合も頭皮環境が悪化しやすいです。頭皮、毛穴に汚れ、皮脂がたまっているかの判断は個人でできにくいため、専門サロンでチェックしてもらうのもよいでしょう。

加えて、体質に合わないシャンプーを使い続けていることが薄毛の原因になることも少なくありません。乾燥肌、敏感肌の方は、洗浄力や刺激の少ないシャンプーを選ぶ必要があります。間違った洗髪方法や頭皮ケア不足も薄毛につながるため、年齢に関わりなく、頭皮環境を見直す必要があるでしょう。

また、意外と見落としがちなのが紫外線によるダメージです。頭皮が紫外線を浴びると、コラーゲンを減少させ、エラスチンというタンパク質を壊し、うるおいをキープしにくくするため乾燥しやすくなり、さらには頭皮の老化を招いて頭皮環境の悪化に繋がります。薄毛予防のためには、帽子や日傘を利用するといった紫外線対策も方法のひとつです。

20代での薄毛予防の方法と疑わしい場合の対処法

20代のうちから薄毛の症状が見られるとショックかもしれませんが、早めに対策すればするほど、頭皮環境の改善が期待できます。食生活や睡眠習慣、頭皮ケアなどの薄毛に有効な対策をとっていきましょう。頭皮は20歳ごろから老化としての変化が出てきます。もし抜け毛が気にならなくても、現在の髪を維持するために頭皮ケアはしっかり心がけてください。

栄養バランスの良い食事をとる

栄養バランスの取れた食事のイメージ画像

栄養バランスの良い食事は、体全体の健康維持に役立つのはもちろん、頭皮や頭髪の健康を維持し、薄毛予防にもつながります。

20代前半は、大学生活後半や新社会人といった人生ステージになり、お酒の席での人付き合いが増えがちです。学生仲間との飲み会や仕事のお付き合いなどで、飲みすぎや食べ過ぎが続くかもしれません。

薄毛予防には、タンパク質やミネラル、ビタミンなどの栄養素を意識した食事が大切です。

動物性タンパク質は、肉類、魚介類、卵、乳製品などから摂取でき、植物性タンパク質は、米、小麦、大豆製品から摂取できます。ミネラル類を摂取するなら、牡蠣、牛肉、レバー、大豆製品、ナッツ類、海藻(昆布やわかめ)などがおすすめです。

ビタミンは多くの種類がありますが、緑黄色野菜にはビタミンAやビタミンCが多く含まれており、ナッツ類にはビタミンEが多く含まれています。これらは日常的に食べやすい食材なので、意識して食事メニューに取り入れてみてください。

加えて、ファストフードやインスタント食品、スナック菓子や揚げ物などにも注意が必要です。こうした食べ物は、糖質や脂質が多いため、頭皮に皮脂の分泌量が増えて、毛穴に汚れが詰まりやすくなったり、食品添加物のポリリン酸ナトリウムが亜鉛の吸収を阻害したりと、髪の成長を妨げる要素がたくさんあります。

口から食べたものから、体、髪は作られています。外食やインスタント食品に頼った食生活にならないよう注意し、栄養バランスを考えた食事に整えていけば、薄毛を予防する助けになるでしょう。

質の良い睡眠をしっかりとる

質の良い睡眠も薄毛予防に欠かせません。体力のある20代では、睡眠時間を削って仕事や勉強、遊びなどに打ち込みがちです。不規則な生活習慣によって睡眠の質が低下したり、睡眠の時間が不足したりすると、成長ホルモンが分泌されにくくなってしまい、毛髪の成長が抑えられてしまう可能性もあります。

頭髪には毛周期と呼ばれるヘアサイクルがあり、「成長期初期」「成長期」「退行期」「休止期」を繰り返しています。睡眠中に成長ホルモンが不足すると、成長期に抜けにくい丈夫な髪に育ちません。細く抜けやすい状態になり、本来の休止期より前に抜けてしまいます。お肌と同じで髪も夜作られます。

こうした状態が長く続くと、新しく髪が生える前に生えている髪が抜けたり、髪全体が細くなったりすることでボリュームダウン。地肌が目立つようになってしまうでしょう。

質の良い睡眠を確保するためにも、就寝の3時間前までに食事を済ませ、就寝1時間前になったらスマホの画面を見ないようにしましょう。寝室にパソコン、携帯を持ち込まないことは、夜更かしを避けるための対策にもなります。

また、睡眠に適切な室温・湿度調整も大切です。が理想的な室温は、夏が26~28℃、冬が18~23℃。湿度は、夏冬ともに50%程度をキープすれば、快適な睡眠がとれるでしょう。

正しい頭皮ケアを行う

薄毛を気にする20代男性の画像

頭皮ケアとは、正しい洗髪方法・頻度で、頭皮を良い状態にキープすることです。加えて、頭皮マッサージや血流改善などにも取り組むことが理想的です。

正しい洗髪方法のポイントは以下の通りです。

・洗髪前にブラッシングをして、汚れを落とし、洗い流しやすくする
・シャンプーの前にしっかり予洗いをする
・シャンプーをしっかり泡立てて、髪だけでなく頭皮も洗う
・爪を立てず、力を入れすぎないよう、指の腹で洗う(頭皮を揉みだすようにしてください。)
・リンスは頭皮につけない
・シャンプーやトリートメント、リンスはすべてしっかりすすぎ、洗い残しがないようにする
・洗髪後はタオルドライで、髪・頭皮の水分をしっかり吸い取る
・10cm~15cm以上離してドライヤーを使い、水分が残らないようにする

洗髪頻度は、基本的に毎日が理想的です。脂性肌の場合や、汗をかいた日は、必ず洗うようにしましょう。乾燥肌で悩んでいる場合は、2日に1回か、シャンプーを使わずに洗う日を作りながら、かゆみやフケがないかどうかを日々チェックしてください。

しっかり洗っているのにかゆみを感じる場合は、シャンプーに含まれている洗浄成分を確認してみましょう。「ラウリル硫酸ナトリウム」「ラウレス硫酸アンモニウム」など、洗浄力が強い成分は、頭皮への刺激が強く、かゆみの原因になります。頭皮にやさしいシャンプーに変えてみると、悩みが解消されるかもしれません。

スヴェンソンのヘアライズ TIスカルプシャンプーは、アミノ酸系洗浄成分や、香料や合成着色料をはじめとする7つのフリー処方で頭皮にやさしいシャンプーですのでおすすめです。頭皮環境を整えるために厳選された天然由来の成分がバランスよく配合されており、脂性タイプ・乾燥タイプどちらの頭皮環境でも理想的な状態に整えられます。

スヴェンソン ヘアライズ「TIスカルプシャンプー」

ヘアスタイルを工夫する

髪のボリュームが減っていたり、薄毛が気になっていたりすると、髪型を整えるのも難しくなるかもしれません。そんなときは、薄毛や髪のボリュームダウンが目立たないヘアスタイルに工夫してみましょう。

薄毛専門美容室のスヴェンソンでは、毛髪理論を熟知した専門スタッフが、ひとりひとりの髪の状態に合わせたカットとスタイリングで薄毛が目立ちにくい髪型に仕上げています。プライベート空間での接客なのでプライバシーを確保しながら、薄毛の悩みを気軽に相談できるのが強みです。ほかの美容室では話しにくかった悩みやヘアスタイルの疑問も、相談しやすいでしょう。

また、スヴェンソンでは、ヘアカットだけでなく頭皮の状態を整える頭皮ケアも行っています。「頭皮軟化プログラム」や「頭皮洗浄プログラム」、「頭皮活性プログラム」、「栄養補給プログラム」など、手軽に本格的な頭皮ケアが叶います。

このほか、ヘアカット後に利用できる「ヘアライズⓇ」もおすすめです。ヘアライズは、髪と同じ成分を特殊なコーティングで閉じ込め、髪を太くするサービスです。全体的に髪がボリュームアップするので、ヘアスタイルの仕上がりも良くなります。初回お試しヘアカットとセットのメニューや、自宅でケアできるアイテムもあるので、髪のボリュームにお悩みの方におすすめです。

関連記事>>20代の薄毛におすすめの髪形・ヘアスタイル

20代の薄毛に関するよくある質問

薄毛の表れ方には個人差があるため、自分がどのタイプの薄毛なのか不安になるかもしれません。ここでは、20代の薄毛によくある質問に答えていきます。

20代の薄毛は自力で治せますか?

20代の薄毛は30代以降に比べると、一時的なホルモンバランスの乱れが原因となっている場合が多くあります。そのため、生活習慣などを見直せば、薄毛の症状が改善する可能性も高いでしょう。日々受けるストレスのコントロールや、食生活、質の良い睡眠時間の確保などに取り組んでみましょう。

一方、薄毛の原因がAGAの発症である場合は、自然治癒が期待できません。AGAは進行性の脱毛症であるため、薄毛の症状を改善するためには、AGA治療の専門クリニックなどを受診する必要があるでしょう。

AGAの治療内容は、フィナステリド(プロペシア)やデュタステリドといった内服薬の処方と、外用薬であるミノキシジルの併用が一般的です。ひとによっては副作用が出る可能性もありますが、適切な治療に合わせて、日々の頭皮ケアに取り組めば、AGAの症状を抑えることが可能です。

自身の薄毛の原因やタイプをセルフチェックする方法はありますか?

薄毛をチェックする20代男性の画像

生活習慣や頭皮環境をチェックすれば、薄毛の原因を推測できます。全体的に毛量が減っており、睡眠時間や食生活などに乱れがある場合は、ホルモンバランスの乱れが薄毛の原因かもしれません。

洗髪方法や頻度、ドライヤーの使い方に問題があり、かゆみやフケを伴っている場合は、頭皮環境の悪化が薄毛につながっている可能性もあります。

一方、AGA(男性型脱毛症)は、薄毛の表れ方が特徴的です。M字・U字・O字と、前頭部~頭頂部のみ薄毛になるという特徴があるため、こういった薄毛症状が表れている場合は、AGAによる薄毛の可能性が高いでしょう。

AGAの薄毛の表れ方

このほかAGAは、遺伝的な要素も含まれているため、親族に薄毛の症状がみられるかどうかも、判断ポイントになります。

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育毛剤や育毛シャンプーにはどのようなリスクがありますか? 

「医薬部外品」に分類される育毛剤や育毛シャンプーであれば、使用するリスク(副作用)を心配する必要はほとんどありません。

ただし、育毛剤に含まれる添加物やアルコール成分により、皮膚トラブルを起こす可能性もあります。育毛剤に含まれる成分が肌質と合わなかったり、体調不良などで免疫力が低下したり、正しい使用方法を守っていなかったりすると、悪影響が起こるかもしれません。頭皮の状態や相性を見ながら使用を判断すれば、リスクを避けられるでしょう。使用感として、髪がべとつく育毛剤は避けた方がいいかもしれません。

遺伝はどのくらい薄毛に影響しますか? 

薄毛の遺伝的要素は、AGAの原因となる「5αリダクターゼの活性度」と「男性ホルモンレセプターの感受性」があります。

5αリダクターゼⅡ型は、AGAの原因物質であるジヒドロテストステロン(DHT)を作り出す酵素です。両親のどちらかが、5αリダクターゼⅡ型を活性化させる遺伝子を持っている場合、子どもにも遺伝しやすく、AGAが発症しやすくなります。

男性ホルモンレセプター(アンドロゲンレセプター)は、ジヒドロテストステロン(DHT)を取り込み、脱毛や髪の成長を止める信号を発信する受容体です。男性ホルモンレセプターの感受性は、X染色体の遺伝情報に含まれています。

男性の染色体(XY)のうち、X染色体は母親から、Yは父親から受け継ぐため、AGA発症を左右する男性ホルモンレセプター(アンドロゲンレセプター)の感受性は、母方の家系が大きく影響するようです。このため、母方の祖父や先祖に薄毛の方がいれば、AGAが発症する確率も高くなります。

遺伝的要素があるからといって、必ずAGAが発症するわけではありませんが、親族や先祖にAGAの症状があれば、AGAを発症する可能性があると考えられるでしょう。

予防にもなる薄毛対策は早めに取り組みましょう

20代の薄毛には、生活習慣や食生活、睡眠不足などが関係していることが多いです。栄養バランスを見直し、睡眠の質を確保し、正しい洗髪方法と適切な頭皮ケアに取り組めば、薄毛が改善される可能性も高いでしょう。早めのセルフケア開始がポイントとなります。

一方、20代でもAGAを発症する可能性があるため、自身の頭髪状態から、AGA治療が必要かどうかもチェックしてみてください。また、薄毛専門のヘアサロンを利用する選択肢もあります。自分に合った頭髪・頭皮ケアに取り組み、自信が持てるヘアスタイルに整えていきましょう。

参考文献

公益社団法人日本皮膚科学会「男性型および女性型脱毛症診ガイドライン2017年版
e840.net「亜鉛吸収促進因子・亜鉛吸収阻害因子

 

公開日:2023/02/08

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