薄毛を治療する!?そんな疑問にお答え

株式会社スヴェンソン所属。毛髪技能士の資格を有する、髪のプロで構成された編集スタッフ。髪コトを通して、皆さまが抱える髪の悩みや不安、疑問を少しでも解決できるよう、分かりやすく情報を届けていくことを心掛けています。

医師

現在、国内で何かしら薄毛の悩みを抱えている人は少なくありません。その人数は、成人男女の3人に1人といわれるほどの割合です。多くの人は、もう元に戻らないか気になっていることでしょう。実際のところ、薄毛は治るのでしょうか?今回は薄毛の代表的な治療方法や治療の効果、また受診できる場所などについてご紹介していきます。

薄毛治療にはどのような方法があるか?

薄毛を治す方法は、大まかに「医薬部外品」「医薬品」「高度な専門的治療」の3種類です。医薬部外品の代表例としては、育毛剤が挙げられます。育毛剤は副作用のリスクが低く、医薬品に抵抗がある場合にはおすすめといわれています。育毛剤で満足できる効果が上がれば、わざわざ病院に通う必要もありません。

医薬品は外用薬と内服薬に分けられ、そのうち最近までの臨床データにより高い治療効果が示されている内服薬が「プロペシア」です。プロペシアには、髪の成長を妨げる男性ホルモン「DHT(ジヒドロテストステロン)」の機能を抑制する働きがあります。このホルモンは薄毛を引き起こす主な原因のひとつに数えられ、薄毛のタイプによってはプロペシアがDHTの機能を弱らせるとかなり高い確率で症状が改善するわけです。

高度な専門的治療には、「メソセラピー」や「HARG治療法」があります。メソセラピーは注射や超音波により患部に育毛成分を浸透させる方法であり、それに対しHARG治療法は骨髄などから抽出した成長細胞を頭皮に注入し発毛を促進する方法です。これらに加え、毛の生えなくなった部分に自分の毛髪を移植する植毛治療も高度な治療方法に含まれます。

薄毛治療はどれくらいの効果を期待できるか?

悩む男性

薄毛は、いずれの方法でも適切に対処すると症状が改善する確率は低くありません。治療の効果を左右する大きな要因のひとつは、その方法が自分に合っているかどうかです。肌に合った育毛剤が見つかれば、それだけで十分な効果を得られる場合があります。逆に、高度な専門的治療であっても人によっては大して効果が上がらないかもしれません。

薄毛の原因も、治療の効果にかなり影響を及ぼします。基本的に薄毛を引き起こす原因は、男性ホルモンの一種であるDHTです。そのため、プロペシアがこのホルモンの活動を弱らせると髪は成長しやすくなります。実際、治療現場ではプロペシアの投与により大きな成果がもたらされている症例は少なからず報告されています。

しかし、いつでもプロペシアが期待通りの効果を発揮するとは限りません。DHT以外にも、薄毛の主要原因としては遺伝、あるいはストレスや生活習慣の乱れが挙げられます。これらの影響力が多大であれば、ホルモンの働きを抑えるだけでなく各々の原因に見合ったケアも望まれます。毎日のように重いストレスを感じている場合には、ストレス発散の方法を見つけるといった対策も必要になってくるかもしれません。

いつから治療を開始すればよいか?

生え際を気にする男性

一般的に、薄毛治療はなるべくはやいうちに開始したほうが効果的と考えられています。薄毛が気になったとき、そのまま放置していると症状は進行していくばかりです。最初は前髪の生え際が少し薄くなっているくらいでも対策を怠っていると頭頂部へ広がり、やがて側頭部と後頭部に髪が残るのみという状態になります。発症してから長い期間が経過すると多くの毛根が寿命を迎えるため、広範囲が薄くなるほど重症化すると簡単には症状の改善を見込めません。

通常、30代は薄毛に悩まされる人が増えてきます。30代になると、体質や生活環境の変化が薄毛の発症につながりやすいためと考えられています。10代〜20代のときほど運動しなくなり仕事の関係でストレスが増えると、それらが引き金となって薄毛を発症することがあります。髪の状態を把握して、早めのケアを心がけると良いでしょう。

とはいえ、10代や20代も薄毛と無縁ではありません。人によっては、遺伝の関係から年齢に関係なくDHTが生成されやすい場合があります。スタイルをセットする時にボリューム感を感じなくなったり、髪の毛が細くなってきたと感じてきた時が要注意です。そして少しでも変化を感じた場合は早めのケアを心がけるようにしましょう。

治療にはどれくらい時間がかかる?

印のついたカレンダー

薄毛治療に必要となる時間は、人によって異なります。症状の進行具合は、治療期間を左右する重要な要素のひとつです。

症状が軽いと、はやければ半年ほどで治療の効果を実感できるといわれています。この期間は、髪の生成サイクルと大きく関わっています。本来、新しい髪が生えるまでには約3カ月の準備期間が必要です。さらに長くて太さもある健康的な髪に成長するまでには、同じくらいの時間がかかります。目に見える変化が現れてくる可能性は高いわけです。軽症の人が自分に合った育毛剤を探すときなどは、半年がひとつの目安になるでしょう。

新しい髪が生えるまでのサイクル。約3か月の準備期間

薄毛が重症化している場合、それだけ治療は難しくなります。1年ほど薬を服用しても、効果が出てくる保証はありません。遺伝が原因になっているケースも、時間がかかる症例です。それでも、数年にわたり薬の投与を継続すると、症状が緩和する可能性はあります。いろいろな方法を試しても薄毛がなかなか改善しないときは、専門医と相談しながら根気よく治療に取り組むことをおすすめします。

AGA治療を受けられる場所は?

病院の受付

薄毛治療は、通常、専門のクリニックで受診可能です。薄毛治療を専門とするクリニックに足を運びにくいときは、一般の病院で受診できるところもあります。

一般病院を選んだ場合、どの窓口に訪れればよいか迷うかもしれません。大型病院は、毛髪専門の診療科を設けているところがあります。今のところ設置数は限られているため、近場で見つかるとは限りません。近所の一般病院で受診する際には、まず皮膚科や内科に行くとよいでしょう。医学的にみると髪や頭皮は皮膚に分類されるので、皮膚科でAGA治療を扱ってくれるところは増えています。

皮膚科と内科で悩んだ際は、自覚症状などが判断基準になります。頭皮にかゆみや炎症といった異常が認められる場合や脂分が多いときは皮膚科を、薄毛以外にも体調不良を感じている人や遺伝による薄毛が疑われるケースでは内科を受診するのが妥当です。治療方法は、基本的に外用薬や内服薬の処方が中心になります。

ただし多くの場合、一般病院には薄毛治療の専門医が常駐していません。症状によっては効果的な医薬品を処方してもらえますが、治療方法の種類は限定的です。常勤の専門医が在籍しているクリニックは一般病院より治療方法の選択肢が幅広いので、それだけ自分の症状に合った治療方法が見つかります。なかなか薄毛が改善せず悩んでいるなら、一度、専門クリニックに相談することをおすすめします。

まとめ

現在、薄毛の治療方法は市販の育毛剤から高度な専門的治療まで種類が豊富です。薄毛の原因を踏まえたうえではやい段階から適切な治療を始めれば、それほど時間をかけなくてもある程度の発毛効果を実感できるでしょう。ただし症状がある程度まで進行すると話は簡単ではありません。さまざまな方法を用いても思ったほど効果が上がらず、治療は長引く可能性もあります。一般的に30歳を過ぎると薄毛になる人は増えますが、人によっては遺伝などの影響により若いうちから発症する場合があります。薄毛が気になり始めたら、専門医の意見を聞きながら年齢に関係なく髪のケアに取り組んでみてください。

参考URL

https://emira-t.jp/special/6918/
http://hairs-media.com/thinning-hair-heal/
http://www.howto-hatsumou.net/column/measures.html

 

公開日:2019/02/28

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