髪の毛に必要でも過剰摂取が危険な栄養素とは!?

株式会社スヴェンソン所属。毛髪技能士の資格を有する、髪のプロで構成された編集スタッフ。髪コトを通して、皆さまが抱える髪の悩みや不安、疑問を少しでも解決できるよう、分かりやすく情報を届けていくことを心掛けています。

「髪の毛にハリやコシがない」「抜け毛が多い」などのお悩みの原因は、髪の毛の栄養不足かもしれません。髪の毛に必要な栄養素を補給することで、健やかな髪の毛が育つ環境を整えることが可能です。

今回は、髪の毛の成長に必要な栄養素と気をつけたい過剰摂取についてご紹介します。

髪の毛に必要な栄養素によっては、過剰摂取により副作用を引き起こすこともあります。正しい摂取方法を理解して、毎日の食生活に活かしましょう。

髪の毛の成長に必要な3大栄養素

髪の毛の基となる毛母細胞は「成長」「退行」「休止」を繰り返すヘアサイクルを持っています。成長期には、細胞分裂が繰り返されコシやハリのある髪の毛へと成長していくのが一般的です。ある程度まで成長すると衰退期を迎え、その後次の成長期に備えて一時的な休止期へと入ります。また、毛母細胞はそれぞれに異なるヘアサイクルを持っています。

髪の毛全体の約80~90%が常に成長期の状態です。このときに栄養不足となると、ハリやコシのない弱い髪の毛になり、抜け毛やハゲ、AGAの原因となることもあります。だからこそ、髪の毛の成長に必要な栄養素を複合的に摂取する必要があるのです。髪の毛の成長に必要な栄養素は、「アミノ酸」「亜鉛」「ビタミン」の3つです。

髪の毛はケラチンと呼ばれる18種類のアミノ酸結合体でできています。アミノ酸をバランスよく摂取できていないと、ケラチンを充分に生成できなくなるのです。その結果、髪の毛の成長に悪影響を与えてしまいます。そこで、アミノ酸を効率よく摂取したいときに欠かせない栄養素が「亜鉛」です。

引用:https://www.picaresque-osaka.com/2018/09/25/ppt-%E9%AB%AA%E3%81%AF%E3%82%B1%E3%83%A9%E3%83%81%E3%83%B3%E3%82%BF%E3%83%B3%E3%83%91%E3%82%AF%E8%B3%AA%E3%83%BB%E3%83%BB%E3%83%BB/

亜鉛には、ケラチンを合成する力があり、亜鉛不足だとケラチンを作り出すことができません。しかし、亜鉛は体内吸収されにくい性質を持つため、「ビタミン」の力を借りて亜鉛の吸収率を高めます。このように3つ栄養素がそれぞれ支え合いながら、髪の毛の主成分となるケラチンを作っているのです。

亜鉛と特徴と気をつけたい過剰摂取

亜鉛は体内で作ることのできない必須ミネラルの一つです。細胞分裂や代謝をサポートする働きがあり、生殖器や髪の毛に多く含まれています。味覚や性機能の維持、そして髪の毛の主成分であるケラチンの合成にはなくてはならない栄養素です。カキやレバー、チーズやアーモンドなどに多く含まれており、比較的手軽に摂取することができます。

2015年に厚生労働省が発表した「亜鉛の食事摂取基準」によると、成人男性の1日あたりの推奨量は10g、成人女性は8gです。亜鉛には、体内吸収されにくいという一面がありますが1日あたりの必要量は意外と少ないので、サプリメントなどで補おうとすると過剰摂取になる可能性があります。

1日あたりの亜鉛摂取上限量は成人男性が40~45g、成人女性は35gで、これを超えると過剰摂取となるので注意しましょう。急性的な中毒症状として、吐き気や倦怠感、腹痛や下痢などの副作用を引き起こす可能性があります。

亜鉛の過剰摂取が続くとどうなる?

亜鉛の過剰摂取を続けると、吐き気や倦怠感、肝機能障害などのほかにも、さまざまなリスクが伴います。亜鉛には、体内の銅を排出する作用があるので長期間に渡り過剰摂取を続けると、必要な銅まで排出され貧血などの副作用を起こすことがあるのです。また、精神的な不安や味覚障害などさまざまな不調の引き金となることも考えられます。

慢性的に過剰摂取をすることで体内への吸収率も落ち、必要なときに亜鉛を補給しにくい体質になってしまう場合も否めません。そのため、1日あたりの摂取量を守り、過剰症を起こさないよう気をつけましょう。

亜鉛と相性のいい栄養素・相性の悪い栄養素

亜鉛を摂取するときには、同時に摂取する栄養素も注意したいポイントです。相性の悪い栄養素として、「食物繊維」や「カルシウム」が挙げられます。「カルシウム」は、少量の摂取なら問題ありませんが過剰摂取をすると、亜鉛の吸収を妨げてしまう場合があるため、注意が必要です。

「食物繊維」は、ミネラルと結合する性質があるので亜鉛と同時に摂取をすると体内吸収されずに体外へと排出されてしまいます。一方で、ビタミンやクエン酸を同時に摂取すると、亜鉛の体内吸収率を高めるのに効果的です。亜鉛はもともと体内吸収されにくい栄養素になります。

そのため、吸収をサポートしてくれる栄養素と同時に摂取することで、少量でも効率よく摂取することができるでしょう。髪の毛の成長を促す目的で亜鉛を摂取するときには、一緒に摂取する栄養素にも着目することが重要です。

まとめ

髪の毛の成長には、「アミノ酸」「亜鉛」「ビタミン」の3大栄養素が欠かせません。これらの栄養素が互いに作用することで、髪の毛の主成分であるケラチンを生成でき、ハリやコシ、ツヤのある髪の毛へと成長してくれます。なかでも、亜鉛はケラチンの生成に欠かせない栄養素です。

しかし、過剰摂取をすると、さまざまな副作用を引き起こす可能性があります。1日の摂取量を目安に、食品やサプリメントを上手に使って効率よく摂取しましょう。髪の毛に必要な栄養素を積極的に取り入れることで、抜け毛や薄毛など髪の毛の悩みを緩和することにもつながります。

髪の3大栄養素である「アミノ酸」「亜鉛」「ビタミン」についてはこちらの記事でも解説していますので、詳しく知りたい方はあわせて読んでみてくださいね。

記事の参考URL

https://united-clinic.com/columns/8385/

https://www.menshealth-tokyo.com/aga/column/hair_cycle

https://www.aderans.co.jp/kamiwaza/usugeno_taisaku/zinc_nutrition_hair/

https://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-10904750-Kenkoukyoku-Gantaisakukenkouzoushinka/0000041955.pdf

https://united-clinic.com/columns/8385/

公開日:2019/09/30

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