頭皮のニキビが痛い!原因を洗い出した上で適切に対処するには?

株式会社スヴェンソン所属。毛髪技能士の資格を有する、髪のプロで構成された編集スタッフ。髪コトを通して、皆さまが抱える髪の悩みや不安、疑問を少しでも解決できるよう、分かりやすく情報を届けていくことを心掛けています。

シャンプーやブラッシングの際に頭皮に痛みを感じ、「触ってみるとニキビのようなものができていた」という経験がある方もいるでしょう。頭皮をきちんと洗っていてもニキビができることはあるため仕方がないものの、痛いときの対処法は知っておいたほうがよいでしょう。

そこでこの記事では、頭皮のニキビが痛いときの適切な対処法を紹介します。あまりに痛ければ皮膚科の受診をおすすめしますが、まずは正しい知識を身につけるところから始めましょう。

頭皮にできるニキビの種類

皮膚にできた赤ニキビの拡大画像
ニキビには進行度によっていくつかの種類に分けられる

ニキビは毛穴に皮脂が詰まることで生じる皮膚の疾患です。炎症の有無や毛穴の状態によって、以下の4タイプに分けられます。

ニキビの種類 毛穴の状態
白ニキビ
  • 毛穴に皮脂が詰まり、固く盛り上がった状態
  • 炎症は発生しておらず、白く見える
黒ニキビ
  • 毛穴に詰まった皮脂が酸化し、中心部が黒く見える状態
  • 白ニキビが進行して毛穴が開き、皮脂が酸素に触れることで生じる
赤ニキビ
  • アクネ菌が増殖したことで周囲の組織に炎症が発生した状態
  • 炎症によって毛穴とその周囲が赤く腫れる
黄ニキビ
  • 炎症が悪化したことで膿が溜まった状態
  • 中心部が黄色に見える

4つのタイプのうち、炎症を伴う赤ニキビや黄ニキビは痛みが出やすい傾向があります。患部に触っただけで痛いときは、炎症が起きていないか鏡を見て確認してみましょう。

頭皮に痛みを伴うニキビができる原因

念入りにシャンプーしている途中の人
洗浄不足や栄養の乱れなど、頭皮にニキビができる原因はさまざま

ニキビが発生・進行する原因にはさまざまなものがあります。ここでは、主なニキビの原因を6つ紹介します。自分に当てはまりそうなものがあるか、確認してみてください。

頭皮の汚れを落とせていない

毎日のシャンプーがきちんとできておらず、頭皮の汚れを十分に落とせていないことがひとつの原因です。頭皮は皮脂の分泌量が多く、ニキビが発生しやすい部分といえます。日々の洗浄が十分でないと落としきれなかった皮脂汚れが頭皮に蓄積し、毛穴が閉塞してしまいます。

自分ではきちんと洗えていると思っていても、隅々まで洗えていないケースは珍しくありません。すでにニキビができていると、触ったときの痛みを避けようとして周囲の洗浄がおろそかになることもあるでしょう。

頭皮を洗いすぎている

洗浄不足だけでなく、洗いすぎもニキビが発生する原因のひとつです。頭皮に限らず皮膚には一定量の皮脂が必要で、必要な量の皮脂まで洗い落とすと肌荒れを引き起こします。1日2回以上シャンプーしている場合は、洗いすぎによる皮脂不足を疑いましょう。

皮脂が不足している状態が長期的に続けば続くほど、肌荒れが悪化してニキビができる可能性が高まります。

加齢やストレスの影響を受けている

過度なストレスや加齢によって肌のターンオーバーサイクルが乱れると、ニキビが発生しやすくなります。皮脂の分泌量が過剰になったり、反対に不足したりすることで肌荒れするためです。

加齢はもちろん、ストレスも避けようがない部分はありますが、可能な限りリラックスした状態で過ごしたいものです。

寝具や衣服が汚れている

不衛生な寝具や衣服が原因で細菌感染が起こり、炎症を伴うニキビが発生することもあります。ベッドシーツや枕カバー、よく被る帽子などは汚れがちなので定期的に洗濯しましょう。

汚れを放置していると細菌やダニが繁殖します。常に健康体であれば影響を受けにくいものの、コンディションが悪化しているときはダメージを受けてしまい、肌荒れやニキビにつながる恐れがあります。

栄養バランスが乱れている

頭皮のコンディションを良好に保つには、栄養バランスの良い食事が欠かせません。タンパク質、ビタミン、アミノ酸などの栄養素をきちんと摂りましょう。亜鉛をはじめとしたさまざまなミネラルも補給する必要があります。

皮脂が過剰に分泌されている

食生活の乱れやストレスの影響、体質の問題などさまざまな原因で皮脂が過剰分泌しているケースがあります。皮脂の過剰分泌により細菌の栄養となる物質が増え、炎症を伴うニキビが発生しやすくなります。皮脂の過剰分泌は脂漏性皮膚炎をはじめとした別の疾患を引き起こすこともあるため、油断はできません。

頭皮のニキビが痛いときの適切な対処法

鏡を見て生え際の様子をチェックしている男性
適切にケアしてニキビの発生・悪化を予防しよう

炎症を伴うニキビが頭皮に発生し、痛みを感じているのであれば早めに対処することをおすすめします。ただし、どのような対処が適切かはニキビができた原因によって異なります。正しい対処を行うためにも、まずは原因を探ることをおすすめします。

正しい方法で頭皮を洗浄する

頭皮に汚れが残ったり洗いすぎて皮脂が落ちすぎたりすることを防ぐには、正しい方法で洗浄することが大切です。以下に掲載した方法で頭皮・毛髪を洗浄するとよいでしょう。

シャンプー
  • ブラッシングして絡まりを解く
  • 頭皮・毛髪をぬるま湯で洗う
  • シャンプーを泡立てて指の腹で洗う
  • シャワーで十分に洗い流す
コンディショナー
  • 適量を手のひらに取る
  • 頭皮につかないように伸ばす
  • シャワーで十分に洗い流す
タオルドライ
  • 乾燥したタオルで軽く拭いて水分を取る
乾燥
  • タオルドライ後にドライヤーで速やかに乾燥させる
  • 細部まで毛髪を挟むようにして拭き上げる

正しい方法で頭皮・毛髪を洗浄することで良好なコンディションを維持し、肌荒れやニキビを防げます。枝毛や切れ毛をはじめとした毛髪の劣化も防げるため、この機会に洗浄方法を見直してみましょう。

寝具や衣服を清潔に保つ

細菌感染を避けるため、衣服は毎日、寝具は毎週洗濯しましょう。ベッドシーツやマットレスプロテクターは取り外しや取り付けに手間がかかり、洗うのが面倒くさいかもしれませんが、全ては頭皮を健康に保つためです。寝具の中でも直接触れる枕カバーは、もう少し頻繁に洗濯してもよいかもしれません。

食生活を見直し内から治す

栄養バランスが乱れていることを実感しているのであれば、早めに食生活を見直しましょう。野菜不足によるビタミン・ミネラル不足や脂質の過剰摂取などが頭皮ニキビの原因になりやすいため、注意が必要です。

栄養バランスをチェックできるWebサービスやアプリはたくさんあります。不足・過剰摂取状態になっている栄養素を見つけたら、適正な摂取量に収めるように日々のメニューを工夫しましょう。

刺激が少ないヘアケア用品を使う

シャンプーやコンディショナーなど、使用しているヘアケア用品を変えてからニキビができたのであれば、新しい商品が体質に合っていない可能性があります。

ヘアケア用品が合わないときは、すぐに使用をやめて別のものを使いましょう。アレルギーが発生しやすい方や敏感肌の方は、刺激が少ないものを選ぶことが大切です。オーガニック素材のものをはじめとして、肌へのダメージが少ないことが強みの商品を選びましょう。

頭皮ニキビではない痛さ?別の疾患である可能性も

毛嚢炎・ニキビ・あせもの違いを解説した図
ニキビと間違えやすい疾患とは?

肌トラブルの中には頭皮ニキビと間違えやすいものもあります。疾患に合わせて適切に対処するには、自分の症状がどのような疾患なのか正しく把握することが大切です。

ここでは、ニキビと間違えやすい3つの疾患を紹介します。いずれもメカニズムや痛みに特徴が異なります。判断が難しい場合は医療機関の受診も検討しましょう。

毛嚢炎

一定の範囲にニキビとよく似た症状が発生したときは、毛嚢炎が疑われます。毛嚢炎はニキビと同様に毛穴に発生する疾患で、毛根の周りが細菌に感染したことで炎症を起こした状態です。皮膚の表面にできた小さな傷から黄色ブドウ球菌などの細菌が侵入することで起こり、アクネ菌を原因とするニキビの炎症とは異なります。

患部の周囲も赤く腫れ、触ると痛みを感じるのが特徴です。毛嚢炎を予防・治療するには、皮膚を清潔な状態に保って感染を防ぐ必要があります。

マラセチア毛包炎

常時皮膚に存在しているマラセチアと呼ばれる細菌が毛穴に入り込み、増殖することで炎症を引き起こす疾患がマラセチア毛包炎です。ニキビとは異なり一定の範囲に同じサイズの発疹が多発するのが特徴で、悪化すると膿が溜まったり痛みを伴ったりします。

患部に触れたときに痛みだけでなくかゆみを感じるとき、赤い発疹が多発したときは、ニキビではなくマラセチア毛包炎を疑いましょう。ステロイド薬の副作用で発症することもあるため、痛みやかゆみが強ければ皮膚科を受診してください。

アテローム

アテロームは表皮嚢腫(のうしゅ)の一種です。毛穴の内部に袋状の組織ができ、その中に脱落した角質や皮脂が溜まることで発症します。溜まっている角質や皮脂の量によっては大きく膨れ上がることもあります。

皮膚表面に開口部があるのが特徴のひとつで、観察時に黒い穴のようなものが見えたらアテロームを疑いましょう。アテロームは痛みを伴うものと伴わないものがあり、内部で炎症が発生していると強い痛みが出がちです。

アテロームを根本的に治療するには手術で摘出しなければなりません。できるだけ早く皮膚科を受診しましょう。

頭皮のニキビがあまりに痛ければ皮膚科を受診しよう

医師の診察を受けている男性
早めに皮膚科を受診してニキビを治療することで悪化を防げる

ニキビに「青春のシンボル」というイメージを持つ方もいますが、皮膚に発生する立派な疾患のひとつです。特に、痛みを伴う頭皮のニキビは、早めに皮膚科を受診することをおすすめします。セルフケアには限界があり、根本的な治療につながらないことも多いためです。

どのような疾患か正しく診断してもらえる

毛嚢炎やマラセチア毛包炎など、ニキビと誤認しやすい疾患がいくつかあります。自分で見ただけでは何の疾患か分からないことも多いため、皮膚科を受診して正しく診断してもらうことが重要です。

皮膚科を受診することで、疾患の種類や症状に応じて適切な治療を施せます。早期の治療にもつながるため、強い痛みを伴う場合やなかなか治らないときは放置せず、すぐに受診するのがおすすめです。

治療に必要な医薬品を処方してもらえる

ニキビの治療に効果的な医薬品には、過酸化ベンゾイルやアダパレンなどさまざまなものがあります。皮膚科を受診することで効果的な治療薬が処方され、早期の治療を望めます。

自分で調べた市販薬を購入・使用する手もありますが、専門医が指定した処方薬のほうが当たり外れがなく、安心感も高いでしょう。心配事があれば相談できるのも大きなメリットです。

痛い頭皮ニキビと薄毛・抜け毛は関係ある?

頭皮にできたニキビがなかなか治らず、痛みを伴っていると「薄毛や抜け毛につながるのではないか」と心配になる方もいるでしょう。

通常、ニキビができたことが原因で薄毛や抜け毛、脱毛症を発症することはありません。しかし、ニキビが悪化して炎症の範囲が広がり、毛穴がダメージを受けたことが薄毛につながる流れは考えられます。

他にも、頭皮環境の悪化が毛穴や毛包に影響を及ぼし、毛周期に影響することもあるでしょう。やはり早い段階で医師に相談し、治療に取り組むことをおすすめします。

まとめ

生え際を細かくチェックしている人
頭皮ニキビの痛みに困っているなら、早めに専門家の力を借りて対策するのがおすすめ

日々のシャンプーに問題があったり寝具や衣服が汚れていたりすると、頭皮の環境が悪化してニキビが発生する恐れがあります。

頭皮環境の悪化が薄毛や抜け毛につながることを考えると、日頃から清潔に保つことが大切です。毎日の頭皮ケアに取り組むだけでなく、必要に応じて専門家の力も借りることをおすすめします。

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